神様がくれた夏
「…こっち向いて」
彼の息が耳にあたる。
ゾワっと何かが体を這っていく感覚。
あたしは言われたとおり、彼と向き合うようにして座りなおした。
目の前に彼の整った顔。
きっと、いや間違いなく美形という部類に入るんだろう。
そんなことを思っていたら、彼の唇があたしの唇に触れた。
ドキン、と胸が鳴る。
あたしは反射的にきゅっと目を瞑った。
何度も何度も角度を変えては、だんだんと激しくなっていく。
好き。
大好き。
それしか出てこない。