神様がくれた夏
「…無理」
ボソリと呟いてみた。
暑さと戦えと言われたってどう戦えばいいというのだ。
暑いものは暑い、これはどうしようもない事実であって、どうしようもないこと。
結局出た結論はどうしようもない、というありきたりで当たり前なものだった。
そんなことはもう分かりきっていることなのに。
本鈴が鳴って先生がやって来る。
面倒だと思いながらも、体に鞭を打って起立しては礼をする。
着席をした途端にあたしは再び机に突っ伏した。
ボーっと上手く働かない思考。
暑さと戦う意欲さえないあたしは、こうして机に突っ伏して1時間経つのを待っているしかない。