神様がくれた夏
勝手に造り上げていた夏目涼という人物像が崩れていく。
正直な感想は、もっと大人の人だと思っていた。
この前水をぶっかけてしまった時のように、スマートな対応を常にしているのかと思っていた。
暴力的らしいけれどあたしはそこをよく知らないから。
…あんな馬鹿なことを平気でしてしまうような人だったとは。
「…な……わ」
…なんかショックかも。
勝手に思い込んで勝手にショックを受けるなんて、夏目涼にとっちゃいい迷惑だろうけれど。
あたしはずっと窓の外を見ている。
だから気づかなかった。
「おい、夏川!」