神様がくれた夏




勝手に造り上げていた夏目涼という人物像が崩れていく。



正直な感想は、もっと大人の人だと思っていた。



この前水をぶっかけてしまった時のように、スマートな対応を常にしているのかと思っていた。


暴力的らしいけれどあたしはそこをよく知らないから。




…あんな馬鹿なことを平気でしてしまうような人だったとは。




「…な……わ」



…なんかショックかも。



勝手に思い込んで勝手にショックを受けるなんて、夏目涼にとっちゃいい迷惑だろうけれど。



あたしはずっと窓の外を見ている。


だから気づかなかった。




「おい、夏川!」



< 87 / 468 >

この作品をシェア

pagetop