神様がくれた夏
「なになに、ボーっとでもしてたの?」
6時間目が終わるなり、ほのかはあたしの元にやって来ては前の席に腰掛けた。
椅子だけをあたし側にくるりと回転させ、向き合うような形をとる。
太陽が傾き少しばかり太陽光線が軽くなったもんだから、あたしのテンションはいつもに近い状態に回復中だった。
「んー…」
どうしようかと考える。
ほのかならあたしより夏目涼のことを知っていそうだから、聞いてみようか悩んだのだ。
ぶっちゃけ言えば、気にしなければいいだけの話。
夏目涼がどこで何をしていようがあたしにはまったく関係のないことなのだから。
けれどあたしの中ではそういうわけにはいかなかった。
気になってしょうがないのだ。