わかってる。
1.
「雅樹~、帰ろ?」
今日も私は勇気を振り絞って
彼氏の雅樹を帰りに誘っています。
「ん」
雅樹の返事は、いつもそれだけ。
それだけ言って、雅樹は席を立つ。
雅樹は、私を待つことなく
先々歩いて、教室を出ていってしまった。
「はぁ……」
あたしは、小さくため息をついてから
雅樹のあとを追い掛ける。
< 1 / 60 >
メニュー