鈴屋のひとひら







 ある日、青年はふと手を止めました。



気がつくと、工房中が潮騒で満たされています。



青年が足元を見ると、白い貝殻が折り重なり、小さい山をつくっていました。





青年はぼんやりと呟きました。





「ああ、夏なのだな」
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