草村の中の住人。
君がいなくなってから約2年が過ぎました。
僕は5歳になっていました。
再び君を見つけたのはその年の1月でした。
寒い寒い夕暮れに
君はあの公園にいました。
小さめの滑り台の下に横たわっていました。
ボロボロの赤いリボンをつけた君は眠るように死んでいました。
誰かにご飯は貰っていたのでしょう。
痩せてはいませんでした。
僕は黙って君を抱きかかえました。もう体温はなくて、つるつるした黒い毛並みだけが生きていた君を思い出させました。
君が死んでから18年の歳月がたちました。
僕は今"キミ"と暮らしています。
君と同じ様に、黒い毛並みをしていて赤いリボンを付けている―…
「キミ」
「にゃー」
....