自転車を漕いで学校へ向かう。
紗里の通う高校は家からすぐ近くにあった。


「紗里、おはよお~」

不意に声をかけられては若干体がよろめく。

「だ、大丈夫?急に声かけてごめんね、」

声の主は慌てて謝った。


「大丈夫。ちょっとぼおっとしてた(笑)
加奈、おはようっ」


加奈に笑顔とピースを向けて、崩れた体勢を直す。

「なら良かったよ」

加奈も笑顔でピースをした。


加奈は保育園からずっと一緒の幼なじみだ。


私は運動はできるけど勉強は駄目。
加奈は勉強はできるけど運動は駄目。


私は黒髪のロングストレート。
加奈は地毛が茶色で少し癖のある髪を短く整えている


私はどちらかというと思ったことをすぐ口に出してしまう。
加奈はおっとりしている。


まるで正反対だ。


だが、何故か相性が良くて
高校までずっと仲良しだった。


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