あ
チャイムが鳴り終わると同時に私たちは教室に駆け込んだ
「ぎりぎり間に合ったー」
「さすが紗里ね、疲れたよね?ありがとう」
学校に来る途中、どう考えても始業時間に間に合わないであろうスピードで走る加奈を自転車の後ろに乗せて漕いで来たため、加奈が申し訳なさそうにそう言う
「どういたしまして!ってか元はと言えば私が加奈に変な話したからだし、加奈はそんなこと気にしないで」
加奈は昔から天然で優しい
そんな加奈が紗里は
昔から好きだった
「それにしてもあっつ~」
紗里は席に着きながら
汗ばんだシャツをぱたぱたさせていた。