女神の娘
龍の谷の姫
――――14年後――――
『父上!!!!!』
バタバタと慌ただしく走り、父上に駆け寄り、抱き付く。
【ん?どうしたのだ、アリアよ】
『ん~、あのね、ザフのおじさんが、父上に話があるんだって、』
ニッコリ微笑み、伝える。
【分かった。伝えてくれて、ありがとう。ほら、ご褒美だ。】
父上の大きな手から、小さな粒が何粒か落ちる。
『あー!カンミの実だ!』
カンミの実甘酸っぱくさっぱりとした果物。
小さな粒は、ブルーベリーと同じ大きさだ。
カンミ。
正称、カルントミーン
通常カンミ
大きなその幹に、沢山の実をなす、木だ。
ここらでは、珍しい。
『ありがとう!』
【はっはっはっ、では、またな。】
『うん!』
ゆるゆると緩む口にカンミの実を一粒放りこむ。
うん、美味しい!