女神の娘

私は、アリア。
恐らくニンゲンだ。

本当は、分からない。

私がニンゲンなのか。


父上は、ルイス。
300年生きてきた龍だ。
父上の体は、大きくて、ゴツゴツしてるけど、温かい。

今まで私を育ててくれた、優しい龍。




ふわりと風が私の髪を浚う。


ブロンドの腰まである髪が。



【アリア】

『ん?あ!ヒュウ!』

銀の体で、やっぱりゴツゴツしている、ヒュウは、100生きている。

この谷の龍の中で最年少だ。

『どうしたの?』

【西の国、ザルフが、戦争を始めたらしい。】


『………』


戦争…

『それは、この谷に危害を及ぼすのかな。』


【分からない。だが…―――死するものの数は、計り知れない。】


……はぁ、と溜め息を吐き、空を見上げた。


『そっ、か』



【……じゃあ、俺は、長老に伝えねぇとだから。】


『うん。』

ヒュウと別れ、歩く。

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