【短編】カフェ・モカ
あたしの居場所
気が重かった。

体もずっしりと重くて、一歩進むたびに心がきしむ音がした。

地球の重力を、その日以上に強く感じたことはないだろう。

今日は、水曜日。

キミとキミの彼女とあたしの約束の日だ。

今日という日がくるまで、キミは毎日のようにあたしに会いに来た。

休み時間、授業の合間、食堂、どうやって探してあたしのところへやってくるんだか。

「水曜日の約束、忘れないでね」

って、ただ念を押すために。


毎日、毎日、洗脳されたら忘れたくても忘れられやしない。
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