【短編】カフェ・モカ
「それモカですね。シュンくんもそれ大好きなんですよ。ホイップたくさんのせるの。」

ね、とキミの方を向いて首を傾けるエリちゃん。

ゆるゆるに巻かれたウェーブの髪がふわっと揺れる。

エリちゃんは話を続ける。

「カフェモカを一つ。上にはホイップを。たっぷりね。でしょ。」

それは、あたしのセリフ。

エリちゃんが座ってるのは、いつものあたしの席。

キミの隣は・・・

そこは・・・

あたしの居場所なのに。

頭がクラクラする。すごくクラクラする。

どうしてあたしはここにいるの?

もう限界だった。
< 16 / 37 >

この作品をシェア

pagetop