【短編】カフェ・モカ
思い出す・・・。

キミが考えた“魔法ごっこ”という遊び。

魔法みたいなことをみんなで探したり、お互いにおまじないをする。

小学6年生にしてはとても幼稚で女の子みたいな遊びだ。

だけど、キミが一声かければみんなが集まってくる。

夕陽がキラキラと噴水に反射するのをみんなで眺めた。

願い事を書いた葉っぱを大切にしおりにした。

“魔法みたいだね”っていうキミの一言が、些細な日常を素敵な世界に変えてくれるんだ。

イチョウの葉っぱをキミと拾って、あたしは願い事を書いた。

キミに見えないように。

“ずっとシュンの隣にいれますように”って。




< 19 / 37 >

この作品をシェア

pagetop