【短編】カフェ・モカ
「朋美~。ご飯だから降りてきなさ~い。」

「今行く。」

階段の下のお母さんの呼ぶ声に応え、アルバムを閉じる。

食欲はなかったけど、ちゃんとお腹は鳴るんだ。

ぐぅぅ・・・って。

生きてますって言ってるみたい。

失恋しても、人間は生きていけるんだって実感するよ。

重い腰をあげ、温かい料理が待つキッチンに向かった。


きっと今日はカレーライスだ。
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