【短編】カフェ・モカ
パタパタとせわしない足音が聞こえてきた。

軽快なリズムみたいだ。

きっと、キミはモカを注文して

あたしの前に座る。

まぶたを開けるとキミがいた。

やっぱりいつになく真面目な顔をしていた。

「時間通りだね。座りなよ。話はあたしからでもいい?」

口調は落ち着いているのに、心臓はドクドクとだんだん速くなる。

あたしと違って正直者な心臓。

「わかった。」

キミは頷いて座った。

深呼吸をしよう。

これが最後なんだから。

がんばれ朋美。
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