【短編】カフェ・モカ
小学校6年間、キミと離れた6年間。

12年の想いは、あっけなく口から転がり出た。

「あたしね、キミのことをずっと好きだったのよ。」

キミは大きな目をさらに大きく見開いた。

「トモ?あの・・・」

「お願い、最後まで聞いて?」

キミはじっとあたしを見つめた。

「小学校の頃から、キミの傍にいることが幸せだった。キミの恋人じゃなくてもね。」

これは本当。

「純粋で少年みたいなところも、几帳面なところも、優しいところも、全部、大好き。」

これも本当。

「キミの魅力。キミっていう魔法にかかっちゃたんだ。」

くさいセリフだけど、本当。

「だから、もう友達でいれないの。一緒にいると前に進めないから。」

エリちゃんを引っ叩いちゃったし、と最後に付け加えた。

全部、全部、本当のことだった。



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