【短編】カフェ・モカ
「オレ、トモのことがずっと好きだった。」

よくわからない。

「だけど、トモはそっけなくて、でも傍にいるし、彼氏は作らないし。どうやって諦めたらいいのかわからなかったんだ。」

わからないよ。

「エリちゃんと付き合ったことにして、トモと距離を置こうって。オレからエリちゃんにお願いしたんだ。」

涙が溢れてくる。

キミは右手を伸ばして、あたしの涙を拭う。

触らないでよ、馬鹿。

「魔法にかかったのはオレの方なんだよ。」

キミは立って、あたしの隣に跪く。


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