【短編】カフェ・モカ
「トモはきっと忘れてるだろうけど。オレにこう言ったんだ。」

―「“いつまでも、そのままのキミでいて”って。」

あたしの手を握るキミ。

「だから、オレ、見た目もだけど、中身も変わらずにいたいって頑張った。トモと再会したときにすぐにオレだとわかってもらえるように。」

キミはあたしを優しく抱きしめる。

華奢なキミからは想像できないくらいに、がっちりとした筋肉。

骨ばった体、男の人の体。

いつまでも変われずにいたのは、キミじゃなくあたしの方だったのかも。

「トモが好きだ。トモが好きだ!」

あたしも・・・。

「あたしもキミが好き!」

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