窓際のブラウニー
第1章【自分】


トイレのループ窓を開けると

澄み渡る青い空と街が広がっている。




誰かここから連れ出して。





葉を失くした木々が等間隔に並ぶ。


その奥にそびえ立つ高層ビル。




遥か遠くに見える山々には

雪が積もっていることだろう。



ここからは


その白が雪なのか空なのか


判断できない。




日当たりの悪いこのトイレの中だけが


心から休める場所。



ここからの景色だけが

私を現実から連れ出してくれる。


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