窓際のブラウニー
第2章【夫と私】
夫は靴下を裏返したまま洗濯機に入れる。
何度か、やめてほしいと頼んだが、無駄だった。
いつの間にか、もう諦めていた。
「諦め」…それが私と夫の関係の全てなような気がした。
食事をしながらTVを見る習慣も、
佃煮を自分のお箸で取る癖も、
長年そうしてきたから直らないと開き直る。
諦める。
もう小言を言うのも疲れた。
そうしているうちに、どこか違和感を感じながらも夫婦になってゆく。
どこかで何かを我慢するのが夫婦だとしたら、
これは正しい夫婦なのかも知れない。