窓際のブラウニー
気付いてしまった自分の気持ち。
私が求めているのは
そんな優しい言葉じゃない。
私は強く激しく
私を奪い去って欲しかった。
世間に何を言われようと
私を求めて、連れ去って欲しいと願っていた。
あんな家には帰りたくない。
問い詰めることさえできない夫の浮気を
気付かないふりをするのは辛すぎる。
冷たいあの家には私の居場所がない。
逃げ出したい。
逃げ出したいけど…
勇気がない。
だから、
強く強引に手を引っ張ってくれる人を
求めていた。
田所さんは
きっとそんな人じゃない。
私の幸せの為になら何でもしてくれる田所さん。
決して、私を連れ去ってはくれない。
だって
あなたには大切な雪子さんがいるから。
でもどうして?
大切な人がいるのに
私の指にキスをするあなた。
あなたは誠実な人ではない。
雪子さんが泣いてるよ…