窓際のブラウニー
夫の浮気は私が知る限り3度ほど。
あの彼女とは別れたようだ。
携帯の着信音が変わり、お気に入りのネクタイがクローゼットから消えた。
わかりやすい人・・・
問い詰めることもなく、泣くこともなく、淡々とただ毎日を過ごしていた。
お義母さんは、介護センターへ行くことを辞めた。
私と田所さんを繋いでいた細い糸はとうとう切れた。
犬を飼いたいと言ったことが原因で、お義母さんとはより仲が悪くなった。
もうどうでもいい。
そんな私に田所さんとの再会という衝撃的な出来事が舞い降りた。
それは桜の花が散り始めた4月半ばのことだった。