窓際のブラウニー
「あなたがご主人を愛していないなら・・・ね。でも、あなたは深く愛している。それに気付いたから、僕はあなたを見守ることしかできないんだ。」
私は、田所さんの肩に顔を置いた。
夫にも何年もしていないことが、田所さんといると自然にできた。
何気なく、私の為に肩を下げてくれた田所さんは、ため息をつこうとして、それを飲み込んだ。
「一度ね・・・家を探してしまったんだ。
ははは、やばいでしょ、僕。会いたくなってね。
真千子さんはベランダで洗濯物を干していた。ご主人の洗濯物を干す真千子さんは悲しい目をしていた。それは、愛に溢れた悲しい目だった。僕はそれを見て、真っ直ぐ家に帰り、あなたを諦めようと決心した。」
その悲しい目は、田所さんを想っていたんですよ、と言いたかった。
実際に、洗濯物を干しながら、いつも田所さんを思い出していた。
「捨てることなんて・・・できないだろ。」
急に男っぽい口調になった。