窓際のブラウニー
流れる桜の花びらを見つめたまま、手を離した。
さよならと言った田所さんの笑顔は、私の心の中で一生鮮明に残るであろう。
本当に素敵な笑顔をくれた。
別々の道を歩き、一歩も振り向かず家へと向かった。
ずっと逃げてきた。
夫と向き合うことから・・・
お義母さんと分かり合うことから・・・
田所さん、さようなら。
田所さんありがとう。
田所さんと出逢わなければ、私は「女」であることを忘れ、ただ虚しく生きていくことしか出来なかった。
背中を押してくれた温かい手。
私の心を包み込む優しい人。