窓際のブラウニー
田所さん、また桜の季節が来ましたよ。
あなたは今も笑っていますか?
犬の写真を撮り続け、雪子さんを愛していることでしょう。
そして、私の幸せを誰よりも願ってくれているのでしょうね。
田所さん、やっと私は笑えるようになりました。
今なら堂々とあなたに会うことができる気がします。
きっとあなたは、私の笑顔を見て、「やっと幸せになれましたね」って喜んでくれることでしょう。
「桜はあっという間に散ってしまうなぁ。」
あの日、田所さんと見た桜。
あの川を流れる桜の花びらを、私は今、大事な人と見つめています。
「この桜の花びらはどこまで流れるんだろう。」
返事をしない私の顔を覗き込む。