窓際のブラウニー
今まで離婚という道を選ばなかったのは、子供がいたから。
そして、やはりどこかで夫を愛していたから。
夫への愛は子供が生まれてからますます冷めていった。
それは、自然に冷めたのではなく、自ら自分を守るために「冷めさせた」のかも知れない。
構ってくれない夫を、深く愛するなんて、自分が壊れてしまいそうだった。
孤独に耐えるには、いい距離感が必要だった。
息子の進学を巡って、大喧嘩をしたことがあった。
私立の小学校へ行かせたいという夫の両親と、公立に行かせたい私の間でもめた。
夫は、というと…
いつも中立。
それは、ただ逃げいているように見えた。
仲を取り持つわけでもなく、どちらにもいい顔をして、争いの中に入ろうとしなかった。
結局、受験に失敗して、息子は公立の小学校、中学校、高校へと進んだ。