窓際のブラウニー



夫は真面目な性格だと思っていたが、10年目にそうではないと知る。



夫からかかってきた電話に出ると、高級クラブのような場所からだった。



夫はポケットに入れた携帯が、妻にかかっていることも知らずに、甘い声で女の子を口説いていた。




15分間、ずっと聞いていた。



携帯のロックをして置かなかった夫が悪い。



浮気をしたのか、浮気をしたかったのか、何もしていないのか、結論は見えないまま今に至る。



問い詰めても、夫は「何もない」しか言わなかった。




でも、私の心に刻まれた傷と、夫への不信感は一生消えることはない。




仕事だと思って、理解していたつもりだった夜遊びも

仕事を超え、自分の楽しみになっていることを知った。



妻には「愛してる」の一言も言えない夫が、若い女の子相手にそんな言葉を安売りしていた。




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