窓際のブラウニー


冷蔵庫から、お義母さんの好きなクリームパンを出し、日本茶を入れた。


私はコーヒーが飲みたい気分だった。




さっき私が座っていたソファはお義母さんに奪われた。


夫があげた花柄のパジャマを着た丸い背中を見ると、何も言えない。


もう年寄りなんだ。


いつも、その背中に救われた。




私の心に芽生える悪魔のような気持ちを、その背中が消してくれた。



憎しみも苛立ちもその瞬間だけは、忘れてしまう。




小さな背中。








< 22 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop