窓際のブラウニー


後ろから2列目の右の2人用の座席に座った。

お義母さんは、いつもと違う担当の人でないことにまた機嫌を悪くした。


ずっと顔を右に向けたまま、窓の外を見ていた。



彼は、乗り口に一番近い左の1人用の座席に座っていた。


ちょうどタイヤの上にある席のせいで

彼だけ高い位置にいた。



日差しを浴びた髪が輝いていた。

細い体つきの割に、しっかりした首。

大きな手で自分のあごひげを触っていた。



目が離せなかった。

この虚しい気持ちを、消しゴムで消してくれた。




右にお義母さんがいることすら忘れていた。


< 33 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop