窓際のブラウニー
「真千子さん、このじゃがいもいつ買ったの?」
お義母さんの手には、先週私の実家から送られてきた新鮮なじゃがいも。
「先週です。どうかしましたか?」
実家から送られてきたことはいつも言わない。
なぜかあまりいい顔をしないから。
テレビから聞こえる笑い声が不快だった。
お義母さんの派手な紫色のパジャマもイライラした。
「芽が出てるじゃない。こんなのを私達に食べさせてたの?あの子、お腹弱いんだから気を付けてちょうだい!」
じゃがいもを流しの中へ転がした。
私の母が送ってくれたじゃがいもを…
芽なんて、ほとんど出ていない。
新鮮なじゃがいもだ。
私は、手に持っていたまだ温かいたいやきを乱暴にテーブルに置き、
2階へ上がった。
いつもなら謝るけれど、
今日はどうしても謝ることができなかった。