窓際のブラウニー
結婚してから夫以外の男性に好意を持ったことすらなかった。
妻は恋などするべきではないと思っていたし、
夫以外の男性に興味を持つことも許されるべきことではないと思っていた。
理想が高かった。
男性に対してではなく、夫婦に対して。
夫婦とはこうあるべき…という理想を求めて、
ただ夫に、家族にだけ愛を注いできたつもりだった。
今思えば、
もったいない人生だったようにも感じる。
同級生の友達が、同窓会で再会した昔の恋人と関係を持った時も、
近所の奥さんが、習い事先の先生と不倫をしていた時も…
どこかで
羨ましかったのかも知れない。
自分にはできないこと。
私には関係のないこと。
私は『女』であることを
自分から捨てていた。