窓際のブラウニー
流しに転がったじゃがいも。
私のようだ。
誰かに救いの手を差し伸べられるのを
ただじっと待っている。
私はそのじゃがいもを綺麗に洗い、皮をむく。
「お義母さん、このじゃがいも、まだ大丈夫ですよ!」
聞いていないフリが得意だ。
TVを見ながら、2つ目のたいやきを頬張っていた。
木目の美しいテーブルに、乱れた新聞が置かれていた。
「真千子さん、水曜日もう行かないから、断ってちょうだい。」
習字をあんなに楽しんでいたのに。
気まぐれなのか、
私を困らせたいだけなのか、
もうどうでもいい。
夫は、今日も飲み会で深夜帰宅。
毎日毎日、お義母さんとの時間が続く。
いつまでこの日々が続くんだろう。
ため息をついたと同時に涙がこぼれた。
私はトイレに向かった。