窓際のブラウニー
「今日はいい天気ね。」
珍しく機嫌の良い水曜の朝。
夫を玄関まで送るのはお義母さんの役目。
2人で見送っても夫が最後に視線を向けるのは私ではない。
恋をする少女のようにハニかむお義母さんを見て、
寒気がした。
「お義母さん、用意できましたか?まだ時間あるんで、何か食べます?」
機嫌の良いお義母さんに、温かい日本茶を入れた。
息子が敬老の日にプレゼントした湯のみを大事に使っているお義母さんを
私は嫌いにはなれない。
「クリームパン、食べましょうよ!」
お義母さんは、ソファに腰掛けて、冷蔵庫から出したクリームパンをちぎる。
「はい、真千子さん!」
この瞬間、私はさっき感じた嫌悪感を忘れてしまう。
お義母さんの好きな所をたくさん見つけて、
なんとか毎日を過ごす。