窓際のブラウニー
戻れるものなら戻りたい。
結婚前の自分に…
戻ってもまた同じ人生が待っていることも何となくわかっているけど。
お姑さんは、半年前に買い物の途中で転んで腰を痛めた。
それ以来、全く外に出ることもなく家の中にこもりっぱなし。
そのせいで、今では半分寝たきり状態になっていた。
何とか外へ連れ出そうと、週に一度バスに乗って介護センターへ通っている。
その週に一度の外出さえも嫌がるようになったこの頃。
家の前までヘルパーさんが迎えにきてくれて、みんなでバスに乗ってセンターへ向かう。
そのセンターでは、地元の幼稚園の子供との触れ合いや、習字教室などが行われていた。
嫌々参加した私だったが、いつの間にかそこで友達もできた。
同じ介護の苦労を味わう奥さん友達と、お茶しながらストレス発散。
もっと辛い想いをしている人がたくさんいることを知り、自分へ渇を入れる。
灯油を入れる手がどんなに冷たくても誰も温めてはくれないけれど。
たまった洗い物を見ても、夫は手伝ってもくれないけれど。
それでも、まだ私は恵まれている。
頑張らないと。
しっかり自分を持って、毎日笑うことを忘れずに…
そうじゃなきゃ、私は私を見失う。