窓際のブラウニー
バスの時間まであと30分だった。
まさか、こんな事態になるなんて思ってもいなかった。
たった一言で…
私の不用意な一言のせいで…
また悲しい気持ちになる。
でもね、
何がいけなかったんですか?
私はお義母さんの体を心配して言っただけです。
クリームパンが惜しかったわけでもないし、
お金がもったいないなんて思っているわけじゃない。
「もうひとつは夕方に食べたらどうですか?甘いもの食べ過ぎると体にも良くないですから。」
とても気を遣って発した言葉だった。
傷つけないよう、気分を悪くしないよう、いつもいつも気遣って
考えてから言葉を発しているつもりだった。
お義母さんは
クリームパンを投げた。
どこを目掛けて投げたのかは、お義母さんしか知らない。
ストーブの裏へへばりついたクリームを
私はタオルで丁寧に拭き取った。
何も言わなかった。
ただ投げた。