窓際のブラウニー
私は彼に何を求めているのだろう。
このままどこかへ連れ去って欲しいのか、
ただひとときだけ私を愛して欲しいのか…
今日どうしてお義母さんが欠席したのか、一体何があったのか、田所さんは何も聞かなかった。
だから、お義母さんの話はしなかった。
それなのに、すっきりとした気持ちになっていた。
また、お義母さんにクリームパンを買える気持ちに戻っていた。
「あまりにも魅力的だから、触れてしまいました。ごめんなさい。今後、触れないように注意しますが、あんまり僕を誘惑すると、どうなるか知りませんよ。」
私の指先に、田所さんは自分の指先を当てて、笑った。
触れないと言いながら、指を絡めてくる田所さん。
もうそれだけで、体が熱くなっていた。
こんな気持ちも何年も忘れていた。