窓際のブラウニー
夫への愛を、こんな事件によって再確認してしまうなんて。
夫を追いかけて、携帯電話を奪い取って、『誰よ!』なんて言えるわけもなく。
戻ってきた夫に、『あなた浮気してるの?』と言う勇気もない。
また日常が始まるだけ。
夫はきっと平然としている私に、ホッとするだろう。
そして、いつもより優しくなり、ねぎらいの言葉をかけるだろう。
今夜あたり、もしかしたら体を求めてくるかも知れない。
男って馬鹿。
女も馬鹿だけど…
田所さんさえいればいいと思えたのは、あの店の魔法?
私はやっぱりこの場所から抜け出せない?