一度の保証(短編集)
「じゃ、飯一緒してから行こうや?」


「うん、いいよ」


裕馬は、腰に白いバスタオルを巻き、ハンドタオルで頭をワシャワシャとふきながらあたしの側まできた。


あたしが、裕馬と目を合わすと近付いてき、キスを二度軽く交した。


「留衣ちゃん何食べたい?」


「スバゲティのお店がいい」


「いいよ。じゃ俺も煙草吸ったら用意するわ」


裕馬は、頭をふきながら、煙草を吸いにベッドの近くの机まで行った。


あたしと裕馬の関係は、キスだけ


彼氏彼女でもない。


なんだかよくわからない関係


でも、必要な関係


その日、店に出勤すると、入店を一緒にした久美子とロッカーで顔を合わせた。


久美子は、一度だけナンバーワンにもなるくらい頑張っていた。


今も頑張ってはいるが、久美子よりも三年前からいるナンバーワンの子には、なかなか安定があり奪えない状態


最近 お互い忙しくゆっくり逢っていなかったため、話しはじめてほっとした気分になった。


「留衣、久しぶりに話すなぁ!店には、久美は、毎日おるけど、留衣来てても話す時間ないもんなぁ!」


「うん!ほんまに!
久美 頑張ってるやん!」

< 101 / 201 >

この作品をシェア

pagetop