一度の保証(短編集)
「うん。てか、てかさ、聞いて!
久美 彼氏できてん!」


「マジで?いつの間によ〜?」


「てか、向こうも夜やから時間も合うし」


「え?って、夜って、ホスト?か、ボーイ?」


「ピンポーン!ホスト!」


「って、大丈夫なん?」


「騙されてるってこと?」


「うん。大丈夫と思う。
まだわからんけど、今のとこ店に来てとかも言われへんし、普通に一緒に毎日おるし」


「そうなん?ならいいんやけど、心配なったからさ」


「うん!ありがとう!
でも、やっと二年ぶりに彼氏できたし、頑張るわ〜」


「うん。良かったな久美
おめでと」


久美は、笑うとぷくっとほっぺがして可愛く笑う子で、今も本当に嬉しそうだった。


「久美 客待たしてて行かなあかんからお先」


「うん。頑張って」


久美は、セクシーな水色のドレスをふわっとなびかせロッカーを出ていった。


彼氏かぁ


あたしは、心の中で呟きながら、携帯で今日も誰かに電話をかけようと、人を選んでいる。


たかしくん
とゆう名前を選び客電


早く帰りたい今日は、来てくれるであろう、たかし君にしか電話はしなかった。


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