一度の保証(短編集)
「ん〜も〜。分かった。合鍵置いとくから。
無くさんといてや?」


「無くさん無くさん」


「それより、気分どうなん?吐きそうとかないの?」


「ん〜?全然大丈夫。でも、めっちゃ喉かわいたわ」


あたしは、冷蔵庫から、二リットルのミネラルウォーターを出してきて裕馬に渡した。


「でか!」


「そのまんま飲んでいいから好きなだけ飲み。
あたしもう出るから、ちゃんと鍵閉めて出てな」


「はーい。いってら〜留衣ちゃん」


「いってらっしゃいやろ!いってきまーす」


あたしは、急ぎ足で、マンションを出た。


久美と、前によく行っていた喫茶店で待ち合わせをして、おしゃべりに夢中になった。


時間なんてすぐたって、久美の彼氏との待ち合わせに間に合うように喫茶店を出て、久美の歩くままついてゆき、待ち合わせ場所で待機する。


黒服が、二人近付いてきて、久美に一人が話しかける。


「久美、おまたせ。
お友達も はじめまして。
克也です」


「かーくん!
話してたあたしの友達の留衣やねん」


「留衣です」


かーくんとゆう男は、自分に自信が満ち溢れているようで堂々としていたが、様にもなっていた。

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