一度の保証(短編集)
「なにが、本気やと思うで。よ!
思うじゃあかんやろ!
曖昧に言うとけばいいおもてんの?!
とにかく、久美にいらんことせんとって!
あの克也にもゆうとって!あと、鍵!
しばらくこんとって!」


「留衣ちゃん…
でも、久美ちゃん克也さんに惚れてるし、留衣ちゃんが、それとやかくゆうのんは違うんちゃう?
それに、克也さんには克也さんの付き合い方があるやろうし、俺は、なんにも言われへん」


裕馬は、そう言い、鍵をあたしに返した。


「だって…
じゃあ、裕馬はなんであたしに店やめろってゆうてきたん?
久美がらみなんじゃないん?」


「まぁ…
久美ちゃんが、留衣ちゃんと同じ店って聞いて、克也さんに、友達の子と同じとこって話したら、久美ちゃんに、俺と留衣ちゃんが、知り合いってばれんようにしてほしいって言われて…
俺、ホスト頑張るし、留衣ちゃんと住んで留衣ちゃんは、働かんくってもいいくらい稼ごうと思って店辞めてって昨日いっちゃってん」


「ホスト頑張るって、簡単じゃないやん!
それに、ずっとホストしてくわけにはいかんやろ?
あたし、そうゆうのなら一緒にいたくない」


「留衣ちゃん、とにかくまた二人で話そ」

< 109 / 201 >

この作品をシェア

pagetop