一度の保証(短編集)
「話せそう?」


久美は、こくんと頷き、顔をあげた。


「昨日から…、かーくんとホテルで泊まりのデートの日やって…
ずっと、楽しくて幸せやったんやけど…
久美な、久美…」


「どうしたん!?」


「かーくんの為に貯金はじめたこと通帳作った時に、言っちゃたんやんかぁ。
でも、かーくんは、気持ちだけ受けとっとくってゆうてくれてて、今日も、ほんまにしてくれてるんかぁ。自分の為に使え。って言ってくれててん。
でも… うっふ…」


「大丈夫?久美。
でも、何?」


「うん。
でも、毎月、いくらづつ貯金してるのか聞かれて、そこから、ずっと貯金の話しで…
久美な、毎月50づつくらいしててん。
そう普通に答えてん。
そしたら、生活費は、いくらでしてんの?って聞かれて、大体 22くらいってゆうてん。
かーくんな、笑顔ですごい優しい声やったけど、こうゆうてん。
《普通の十代の女の子なら毎月、15くらいで生活してるらしいで。
でも、十分、久美の愛伝わってるから》
《久美には、普通の子の生活なんていくらなんでもできひんよな。
夜 長いもんな》
とか、
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