一度の保証(短編集)
《通帳見てみたい》
《やっぱ俺の為ってゆうてたくらいやから、俺の誕生日に暗証番号してんちゃーん?》
って、最後のは、冗談ぽくやけど、後から考えると出てきた言葉みんなが、気になってきて、どんどん不安になってきて涙が…」


「久美、やっぱあかんって貯金も、克也やったっけ?そいつも…」


「でもっ…
決まったわけじゃないし…」


「そんなんゆうてる場合じゃないって!」


「留衣?久美、かーくんに愛されてるんかな?
留衣みたいに心配 してくれるんかな?」


「そら、久美の事 嫌いとかではないと思うし、心配くらいは…して くれるんじゃない かな…?」


「そうかな?そう?久美、かーくんが分からん。
久美は、かーくんのこと誰にも負けんくらい愛してるけど。
どうしたらいいんやろ〜」


「久美、好きな人は、絶対いつかまたできるよ。
今は、今やから考えられへんかもしれんけど、絶対大丈夫!
かーくんが、すべてじゃないやん!」


「久美にとっては、かーくんがすべてやねん。
これからも、ずっとこの気持ち変わらん!」


「くみぃ…だから…」


あたしは、同じ事を言いたいが、途中で黙った。


久美も何も言わない。
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