一度の保証(短編集)
「違う!久美!違うねん!あたしと裕馬は、前から知り合いやってん!
克也って人のことは、なんにも知らん!だから、久美を心配して…
裕馬に探りいれてもなにもわからんし、あたしは、克也って奴 信用できひんかって」


「嘘つかんとってよ!」


久美は、あたしに怒りの目を向けている。


「久美ちゃん、留衣ちゃんのゆうてることホンマやねん。
俺らは、兄貴の彼女の友達が留衣ちゃんで知り合いやってん。
嘘つかしたんは、俺が留衣ちゃんに頼んだからやねん。全部俺のせい」


「留衣をかばうんや!?
今、かーくんここに来てんの?」


「うん。タクで待ってもらってる」


久美は、裕馬から聞き出すと直ぐ様 走って出て行った。


残されたあたし達


裕馬は、あたしの近くのベッドにすわってはぁっと溜め息をはいた。


「どうしよう…」


あたしは、裕馬を涙目で見て言った。


「どうしよって…
でも、実際は、克也さんと久美ちゃんの二人の問題やから、久美ちゃんが、自分で解決するしかないやろ〜」


「でも、あたし 久美 傷つけた…
久美は、あたしも一緒に騙してたと思ったと思うもん。
なんで…?なんでこうなんのよ…?」

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