一度の保証(短編集)
「留衣ちゃんごめんな…」


「今ごろあやまっても遅いわ!
克也って奴 なんなんよ一体!?
やめてよ、もう、なにすんのよー!」


あたしは頭を抱えて言った。


「留衣ちゃん、
たぶん久美ちゃん克也さんとタク使ったと思うし、俺 店 もどらなあかんから出るわ。
克也さんにも戻ったら逢えるやろうし、久美ちゃんにも…」


「うん」


裕馬は、部屋から出て行き、店に戻って行った。


一人残された部屋で、眠れず、あたしは、ただ久美か裕馬のどちらからかの声が聞け、連絡が来ることを祈り、静かな部屋で静かに待っていた。


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