一度の保証(短編集)
洋服屋のお店のばかりで、久美らしすぎて、財布を握りしめた。


あたしは、目についた財布の中のカードを一枚取り出した。


久美が、克也に渡した通帳のカードの方


あの時、克也が見せてきた通帳は、久美が克也の為に作った通帳に間違いなかった。


あんなに愛していた克也の生年月日が、駄目だったとゆうのは本当なのか?


あたしは、調べてみたかった。


せめて久美の気持ちが、少しでも分かることができたら…
ワラにもすがる思い


チャンスは、三回よね?


いいえ、二回か…


間違えれるチャンスは。


「はい、留衣ちゃん。
熱々やで」


「ありがとう。
裕馬、今日 あたしに付き合ってくれへん?
この財布やっぱり久美のやねん
あたし、行きたいとこあるねん」


「うん。どこでも付き合うよ。
どこ行きたいん?」


「このカードの銀行」


「それって昨日 克也さんがゆうてた?」


「うん」


「留衣ちゃん暗証番号も知ってたん?」


「ううん…聞いたことない。
久美が、嬉しそうに通帳作ってきたってゆうのんだけ」


「そっか…
留衣ちゃんの気済むようにしよう!
これ飲んだら行こか」


「うん」

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