一度の保証(短編集)
「喜一の奥さん、浮気してるわよ」


喜一は、箸を止め、私をぎろっと見る。


「本気で言ってんのか?」


「だからね、証拠の写真があるの…
調査してもらったの…」


「はぁ?何 勝手なことしてんだよ?
なら、写真見せて?
あるんだろ?」


「うん」


私は、足元に置いていた写真を喜一に見せた。


喜一は、箸を置いて写真を見る。


「喜…いち…??」


「確に、鈴だ…
どうして紗英、こんなことしたんだ?」


そう言い、喜一は、写真を床に置き、箸を進め出した。


「前から見掛けたりしていて…
もう 黙ってられなくて…
証拠がなくちゃ信じてももらえないって思ったから…」


「紗英、飯 半分残すけど、今日は、もう帰るよ。
写真 預かっておく」


「ええ…
なんだかごめんなさい喜一…
でも、喜一のこと心配だったの」


「分かってるよ。いいよ」


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