一度の保証(短編集)
「どうゆうこと?」


「あなたが、うちの人にあたしが不倫してると言って見せた写真は、作りものよ。

一緒に写っている男も、別の所の探偵で、あなたとうちの人の写真をとってくれた方よ。
おわかり?」


「あたしの探偵は?あたしが、雇ったのよ…」


「そうね〜。でもね、お金さえ積めばどうにでもなることなのよ〜。
と言っても、そのお金も、うちの人が、あたしの為に働いて持って帰ってきてくれているお金だけど。
人の亭主に手は出されるわ、不倫は、でっちあげられるわ、挙げ句に亭主に不倫されていたわで、あたしすごく傷ついたんだから〜。
ね?同じ女ですもの分かるでしょ?紗英さん」


「あ、ははっ
私にどうしてほしいの?」


「あら、これからそれなりに制裁を受けていってもらうつもりよ。
それじゃ、あたし達は、これで。
行きましょ喜一」


私は、二人 肩を並べて帰って行くのを見ているだけ。


座った場所から動くこともできず―


私の今までは、何だったの…


泣くに泣けない―


私の人生は何だった―。




6完



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