一度の保証(短編集)
「それは 大変!
でも 生還されると約束されたのなら幸いですね。
すみません 私こそ色々聞いて」



「いえ、取り乱しすみません。
僕は、一人暮らしで実家を出ていた為に、出張中だったので、そこから駆け付けたため、事情がよく飲み込めてなくて…」



あたしは、しばし言葉を失い 車のスピードが落ちてき、曲がり角をよく曲がってくるようになると、運転手が言う。



「お客さん。もう着きますよ」



その声に、有山 剛は、財布から一万円札を出し言う。



「あっ これで帰って下さい。
もし 足りなければ名刺にある携帯に電話して下さい。
どちらにしても 後ほど、お礼と言いますかお詫びもしたいですし」



「いえっ、こんなに頂けません」



あたしは、手のひら両手を見せ言う。


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